年間ベスト2010

■Best Albums of 2010

1. Deerhunter『Halcyon Digest』

ハルシオン・ダイジェスト

ハルシオン・ダイジェスト

昨年後半あたりから沸々と加熱していった、シューゲイザー/サイケブーム。
その中心にいたのが、このDeerhunter。


アルバムとしては、2年ぶりですが、メンバー各個の活動がハイペース(Vo.が別名儀で4枚の音源をフリーダウンロード公開などなど)で、よくもまぁ『アルバム』という形でここまで作り上げてきたなという所がまずすごい。


これを聞いてると、ホントにナニもしたくなくなるというか、Deerhunterの音楽の内面世界に引きずり込まれるような感じがして、怖くもある。
そういう意味で、しっかり聞いたという事では1位。
「この2010年にDeerhunterを聞いていた」という事実が大事なような気がしました。

  • Pick Up Track

3. Revival
6. Desire Lines


2. The Mirraz『TOP of The Fuck'n World』

TOP OF THE FUCK’N WORLD

TOP OF THE FUCK’N WORLD

The Mirrazの3rdをランクイン。
リード曲の"TOP of The Fuck'n World"や"ハッピーアイスクリーム"などの出来が特に素晴らしく、これまで8割方パクリバンドとしての知名度しかなかったThe Mirrazが、自身で道筋を発見することができた一枚。


"ハッピーアイスクリーム"に代表される、膨大な量の言葉遣い、社会風刺や愛について唄うメッセージ性、愛と死が両立する矛盾な世界観・・・
「これをできるのはThe Mirrazだけ」と僕はこの作品を聞いてみて、もうそう割り切ってもイイんじゃないかと思います。
"死"とか"殺"について激しくくどいほど言及していて、これはやはり現実世界と向き合っている証拠。
『君のその両手は僕が生きるための/僕の身体を創る料理が作れるのに/誰かのその両手は僕を殺すための武器も作れる/なんなら直接殺す事も出来る/これからもずっとそうなんだ』
(from 7. 君の料理(レシピNo.20471))

  • Pick Up Track

4. ハッピーアイスクリーム
6. ふぁっきゅー
7. 君の料理(レシピNo.20471)


3. ASH『THE A-Z SERIES(Vol.1 & Vol.2)

エー・ゼット・ヴォリューム 1(初回限定盤)(CD2枚組)

エー・ゼット・ヴォリューム 1(初回限定盤)(CD2枚組)

A-Z Vol.2(初回盤)

A-Z Vol.2(初回盤)

今年何度も登場しました、ASHのA-Zシリーズ。
リリースは、Vol.1・Vol.2と別々でしたが、もう合わせ技1本で1つとして。


今年のリリースの中で最も待ち焦がれた作品。
Vol.1で半分の13曲が発表されたけど、すぐにでももう半分が聞きたいと、一番積極的になれました。
ヒットメーカーのASHが「26曲のヒットトラックを配信する」と公言した通り、ただのアルバムとは呼べないほどのクオリティでこちらとしては大満足でした。
(A-Zの26曲だけでなく、ボーナストラックとしても11曲を収録!!)
"Y: Sky Burial"では、約10分ほどのサウンド・トラックを見せるなどの小技も効いていてGood。


個人的にはこの26曲をおさらいした、格付けランキングを作る事ができたのがさらに大満足でした。
http://d.hatena.ne.jp/madori927/20101011/1286808709

  • Pick Up Track

[Vol.1]
2. True Love 1980
4. Arcadia
[Vol.2]
1. Dare To Dream
4. Binary


4. Jamaica『NO PROBLEM』

ノー・プロブレム 通常盤

ノー・プロブレム 通常盤

Justiceのグザヴィエがプロデュースを務めるということで、Justiceフリークの僕としてはそれだけで大興奮。
てか、Justiceの2ndまだ??
Justiceはクロスオーヴァーと言われ、ロックにデジタル・エッセンスを加えたハイブリッドな音を展開してきたわけですが、こちらは80'sを思い起こす古き良きギター・ロックがモチーフ。
ランニングミュージックとしては、申し分のないリズムとテンポ。
2010年に一番助けてもらったかもしれないご機嫌な一枚でした。

  • Pick Up Track

2. I THINK I LIKE U 2
8. BY THE NUMBERS


5. LCD SOUNDSYSTEM『THIS IS HAPPENING』

This Is Happening

This Is Happening

2000年代後半からのテクノブームの中心人物で、先端を行き、支え続けたJames Murphyが率いるLCD SOUNDSYSTEM
この3rdをもってLCDを最後にすると発表され(後に結局また続けるだとかなんとか・・)、1つの時代の区切りとでも言うべき作品。
僕らがLCDもとい、James Murphyに教わったのは、ビートの楽しさと心地良さ。
鳴っているモノにただ体を委ねるだけの自然体。
James Murphyがいなくて、DFAもなかったら世界はこうもなってないだろうなと改めて、この5年の重さをグッと噛み締めることができました。
James Murphyに最大限のリスペクトを。

  • Pick Up Track

2. Drunk Girls
4. All I Want
7. Pow Pow


■Best Songs of 2010
1. Baby I'm Yours / BreakBot

ひょんな事から知ったBreakBotが今年の1位です。
このちょうどイイ感じに初めてビデオを見た瞬間からニヤニヤが止まりません。
今クラブに行くなら、これがかからないとイヤ。
昨年のMIKAと言い、結局はこういうハッピーな雰囲気/ポップな感じに行き着くなんだろうな、それが普通なんだろうなと思いましたね。
最高です。


2. Arcadia / ASH

感想はもはや特になし。
イントロからして、まず好きすぎる。


3. Home / The Suzan

出ました! The Suzan!!
アルバム発売おめでとう!!
日本人なのに、どうしてこういうセンスが出てくるのだろうとホントに嬉しく思います。
最強女子のための、最高なロックン・ロールです。


4. 東京レレレのレ / くるり

前にも書いたことあるが、くるりはホントにイイ歳の取り方してるなぁと。
大人になれば、人は盆踊りに帰ると。
つまりはそういう事ですね。(←たぶん違うが)
"東京"とはついているけれども、こういうセンスはやはり京風なんだろうなと思います。


5. Echoes / Klaxons

明日(12/25)に新作EPをフリーダウンロードするらしく、今はその事で頭いっぱいなんですが、とにかくKlaxons一発屋で終わらなくて良かったと、むしろそっちで嬉しかったです。


6. ボニーとクライドは今夜も夢中 / 毛皮のマリーズ

風貌と言い、これまでは単なるキワモノ扱いしかしてなかった毛皮のマリーズですが、この曲には脱帽。
グラム・ロックを現代に呼び起こすと、おそらく他にやったヤツを見たことないぐらい、気持ちよいロックン・ロールを聞かせてくれました。
2分少々に詰め込む感じね。コレだ。


7. Cousins / Vampire Weekend

これも書いたことある気がするけど、これ嫌いな人いるんかな?
最高にアホでしょ。最高にファンキーですよ。


8. テキーラ!テキーラ! / HiGE

割と静かに始まって、だんだん盛り上がってく感じはテキーラさながら。
飲み過ぎ厳禁。
新メンバー加入だとか、ナニかと話題に絶えなかったHiGEちゃん。
オレが一番この曲好きだ!


9. Tell 'Em / Sleigh Bells

2010年一番のぶっ飛びトラック。
ごちゃごちゃしすぎてよう分からん。まさに問題児。
これが聞く時間によっちゃあ、最高なんだよ。2時とか。


10. Hey Boy / Magic Kids

ここ最近は毎年と言っていい程、"Kids"と付く曲が挙る中、今年の"Kids"はMagic Kidsで。


■Best Artwork of 2010

IRM

IRM

失礼な話、この人結構いい歳イってると思うんですが、そこはやっぱり女優さん。
お奇麗でいらっしゃいます。白黒効果ってすごいね。


■Best Newcomer of 2010

  • The Drums



正直な話、この部門が一番難しかったんですが、もうThe Drumsで。
サーフミュージックって言うんですって。こういうの。
盛り上がりに欠けるから、あんまり好きくないけど。
でも聞くけど。



以上、今年の年間ベスト特集を終わります。
今年はホントに苦しかった。
やっぱり全然聞けてない。
日頃は聞くタイミングなくて、週末の電車の中とかでなんだけど、それでも結構寝てたりとか。
周りの30代に聞いても、20代後半は音楽聞かなかったとかいう人いるし。
この世代はそうなんだろうなという自己暗示です。
大仕事終えたので、さぁ鶏でも食いながら『THIS IS IT』を見ようではないですか。


メリークリスマスイブ。